定期健診や生活習慣病予防検診など、未然に病気を防ぐ予防医療が推進される時代になりました。多くの方が年に1回などの定期的な検診を受け、カラダに関する病気のリスクを低減させていることと思います。しかし一方で、脳に関するケアを充実させている方は少ないのではないでしょうか? 実はこれが落とし穴。脳疲労も、放置しておくと深刻な病気につながる可能性があるということなのです。本記事で、そのメカニズムに迫ってみましょう。
脳の疲労は、カラダの病気とは無関係と思われがちですが、実はさまざまな病気・症状を引き起こすリスクを高めていると言われています。たとえば…
■自律神経失調症
■慢性疲労症候群
■うつ病
脳疲労やそこから生まれるストレスは、神経を落ち着かせるセロトニン、活力のもととなるドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質のバランスを崩すとも言われています。その結果として、自律神経にアンバランスな電気信号が送られ、「自律神経失調症」「慢性疲労症候群」などを引き起こし、悪化すると「うつ病」の発症につながってしまうことも考えられます。
■糖尿病(2型)
■メタボリックシンドローム
■高血圧
■高脂血症
最近の研究で判明したそうですが、脳の自律神経の疲れは肉体の疲れとつながっているのだそうです。しかし、この類の疲れは、充実感や達成感を伴うことで感じにくくなる傾向があるということ。つまり「疲労感なき疲労」によって気付かないうちにカラダのさまざまな器官に負担が蓄積され、生活習慣病をはじめとした内臓疾患を患ってしまう危険があるのです。
■がん
がん細胞の増殖を抑える免疫細胞とストレスには深い関係があるそうです。すなわち、ストレスホルモンの分泌が、通常はがん細胞を攻撃している「免疫細胞」の中で遺伝子異常を引き起こし、がん細胞増殖の抑止力が低下させるのだそうです。脳の疲労と関係するストレスは、がん発症のリスクを高めることにつながる、ということですね。
■動脈硬化
■狭心症
■心筋梗塞
■脳梗塞
前述のような生活習慣病を患うと、動脈にコレステロールや中性脂肪などの物質が蓄積される「動脈硬化」を引き起こし、全身の血流悪化に陥る可能性も。結果として、生命維持に関わる心臓や脳といった機関に十分な血液が循環しなくなり、「狭心症」「心筋梗塞」「脳梗塞」といった深刻な疾患を引き起こすリスクが高まります。そして、こうした疾患は最悪の場合、突然死を招いてしまうのです。
脳疲労からくる病気を未然に防ぐためには、まずは脳への血流を良くすることが大切。首筋の筋肉をほぐして血流を回復した上で、脳によいとされるサプリメントや食物を摂るなど、カラダの疲労回復と脳に対するケアを並行して行うことが最良の方法のようです。
また、日常生活や仕事の場面でも極力脳の疲労を回避し、病気のリスクを低減させることも大事です。本サイトでは、脳疲労を軽減・解消するための、「ひとりギャンブル」や「マインドフルネス」「シングルタスク化」といった方法もお勧めしています。うつや生活習慣病を予防・改善するためにも、今日から新しいケアを始めてみましょう。
「健康には気を付けているからがん発症のリスクは低いはず」
「自分は思い悩む性格じゃないからうつの危険性は低い」
「毎日きちんと睡眠時間を取っているから突然死とは無縁」
「自他共に認める『鉄の心臓』だから、病気になったりしないはず」
…そんな考えの方も、脳の疲労という切り口からもう一度それらの病気を捉えてみてください。現代社会では、誰しもが何らかのストレスにさらされているはずですので、ストレスからくる脳疲労は誰にでも起こり得るリスクなんです。脳疲労の怖いところは、気付かぬうちに蓄積されてしまう点。「自分は大丈夫」と過信せず、脳のストレスチェックや脳疲労解消法を試してみてください!