「疲れているときにクリエイティブ⁉ 冗談でしょ?」と思いましたか? でも実は、斬新なインスピレーションは脳疲労が溜まっているときに湧くことがけっこうあって、それは脳科学の学説としても提唱されているようです。思い出しみてください。仕事で締切が迫ったとき、思わぬ早さで処理が出来ちゃったり、せっぱつまったときテンションが「グワァーッ!」と上がったりした覚え、ありませんか? これはいわば脳の「火事場の馬鹿力」。特にクリエイティブな発想は、脳がダル~くなったとき意外とひらめくものなんです!今回は、そのメカニズムと活用法(!?)をご紹介します♪
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疲れているときは効率も落ちるもの。ましてや頭脳労働の頂点であるクリエイティブな考えなんて、浮かぶはずない…。そう思い込んでいませんか? もちろん、疲労と労働生産性が反比例であることは常識で、疲れれば集中できなくなるのは当たり前です。ただ人間の脳は予想以上にタフにできていて、集中力がプツンと切れたときには、別の可能性がひらけるものなんです!
脳には、繰り返しやっていることをルーティンワーク化する力がそなわっています。たとえば同じ作業をしていると、次第に早く、より気楽に出来るようになりますよね? これは脳にその作業用の回路がつくられたから。いわゆる「慣れ」と呼ばれるものです。
そして、クリエイティブな頭脳労働にもルーティン化は働きます。アイディアをひねり出そう、と頭をしぼりますよね? 脳はこの過程もルーティンにしてしまうんです。ですから脳が疲れた、と感じるときは、このルーティン回路だけが酷使されていて、脳のそれ以外の部分にはまだ余力があるんです!
ですから、「脳みそ、もうスポンジだよ」と思うくらい疲れたら、回路を切り換えるようにしてみましょう。ホンのちょっとしたことでイイので、脳に別のことをさせてみるのです。考え込んでいたなら、目をそらして、カレンダーでも「見る」ことをしてみましょう。パソコンに向かい合っていたのなら、紙を取って手で書いてやってみましょう。すると脳はルーティンを断ち切り、別の回路をつくろうとして活性化するはずです!
疲労がひらめきを生むメカニズムは、脳内ルーティン以外にも発見されています。その一つが「集中力の低下」。オーバーワーク状態になって集中力が下がると、脳は本来持っている、「よけいな情報を遮断する」という働きを止めてしまいます。その結果、通常ならシャットアウトされる情報がどんどん脳に入ってきて、思わぬ発想が生まれたりするんです!
もう少しくわしく説明しましょう。脳には、「よけいな情報をフィルターにかけて排除し、情報処理の負担を減らす」という機能が自然に備わっています。たとえば、うるさい環境で会話するときは、相手の声だけを集中して聞くようにするのです。しかし脳が疲れてくると、このフィルタリングを「やーめたッ!」と投げてしまいます。すると相手の声だけでなく、まわりの雑音もドッと聞こえてきます。そのため、思わぬ音が耳に入って、「ああ、こういうのもアリかも」と思いつく…これが「疲れたときに、意外なアイデアをひらめく」理由です。
脳疲労はアイディアの源! とご紹介してきましたが、あくまでもコレは「火事場の…」。疲労はストレスであり、長期間になると脳へのダメージとなるので、ひらめいた後は十分にケアしてくださいね! 理想的なのは休養をじゅうぶんにとることですが、それがムリな場合は短時間でできるコーヒーナップや速効性のあるサプリメントで、エネルギーを充填しておきましょう。