「決断は5秒以内」が生む効果

あなたは1日に何度「決断」していますか? 「ランチを何にしよう?」などの小さなものも含めると、人は1日のなかで何百回も決断をしています。一説によると、無意識でおこなうものを含めたら4万回にも上るそうです。そして、この「決断」は、脳を疲弊させます。「決断疲れ」という言葉があるほど。故スティーブ・ジョブスが、この決断疲れを減らすために、意図的に同じ服しか選ばなかったという話はあまりにも有名です。というわけで、今回は「決断」と「脳疲労」の関係について考えてみましょう。

決断後の脳には、筋肉痛に似た機能障害が起こる!

決断後に疲れるというのは、みなさんも感じたことがあるはず。転職活動の会社選び、結婚するかしないかなどの重要なものになればなおさら。なんでも、仮釈放という重要な決定をくだす判事も、時刻が遅くなればなるほど仮釈放を認めなくなるという研究もあるそうで…。なぜ認めないかというと、再犯のリスクを考えた場合、受刑者を塀の中に入れたままのほうがラクだから。プロ野球の試合の終盤で、贔屓チームが継投を失敗して相手チームに打ち込まれるのも、監督の決断疲れが原因なのかもしれないと思ったり…。

なぜ「決断」すると「脳疲労」が発生するのでしょうか。最善の選択肢を選ぶために脳が全力で働くからです。いろんな決定要素や、それを選ばなかったらどうなるかなど、頭はグルグル回っています。

たとえば、「今日、おやつを食べるか食べないか」という決断に迫られたとします。すると決断を迷っている間、冷蔵庫の中にあるスイーツのことが頭から離れなくなってしまい、「賞味期限は明日までだから明日まで我慢しよう」「いや、今日は大きな仕事を片付けたからご褒美に食べよう」「でも昨日はこってりラーメンを夜食に食べたから我慢しよう」…と、エンドレスに頭を回転させ続けることになります。

そしてようやく決断したあとは、短期的な機能障害が起こります。決断の重要さ・決断までにかかった時間などによりその障害の大きさも変わります。カラダを動かしたあとの筋肉痛のようなものですが、「脳の痛み」は感じられないので、「脳疲労」が溜まっても気づくことができないのです。

「決断疲れ」を減らすためにルールをつくるべし!

「決断疲れ」を減らすためにはどうしたらいいのでしょうか。決断にルールをつくるれば、迷いがなくなり脳疲労を軽減できるかもしれません。筆者の場合は、重要度の低い決断から「5秒ルール」で片づけていくのが習慣になっています。たとえば…

・毎日同じ時間に起きる。
・早朝は全ての情報をシャットダウンしてアウトプットに集中する。
・朝ごはんはシリアルとフルーツ。
・毎日同じ電車、同じ車両に乗る。
・自分宛のメールは即レスする。
・急な誘いはすべて参加する。

1つでもいいので、今日からやってみましょう! 脳疲労軽減につながっているはずです。

食べるようかどうしようか…と考える前に口に放り込め!?

さて、ここまでお読みくださったあなた、今決断すべきことは何ですか? さあ5秒以内で考えてみましょう(…っていきなり言われても無理ですよね・苦笑)。筆者は、目の前にあるチョコレートを食べるか、食べまいか、さっきから悩んでいます。ダイエットのために明日に繰り越そうかと思うんですが、気になって仕方がないし、うーん…脳疲労が心配なので食べちゃいますね(都合のいい言い訳)。

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